ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ジャンヌ」

日本/'13年公演/世田谷パブリックシアター(バーナード・ショー作、鵜山仁演出)


15世紀のフランスに大きな勇気を与えた少女ジャンヌ・ダルクの半生を描く。副題として「―ノーベル賞作家が暴く 聖女ジャンヌ・ダルクの真実―」とあるように、バーナード・ショーによる意欲作。
ジャンヌが神の啓示のもと周りの人間を感化させていく姿を描いた一幕はよくあるジャンヌ像。しかし二幕になった途端強烈な違和感に陥りました。「啓示が聴こえなくなったのではないか」という疑念が膨らみ始め、彼女の妄想が暴走しているような姿に周り同様ついていけなくなり。真骨頂は最後の場面。そんな自分を含めて相変わらず不寛容な社会を痛烈に批判する。ショーはここが描きたかっただけに違いない。
笹本玲奈は初見、自分に酔っている感じが秀逸でした。