ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「蒲田行進曲」


日本/千秋楽/伊藤えん魔プロデュース(つかこうへい作、伊藤えん魔演出)


映画スター銀四郎に愛人を押し付けられた大部屋俳優ヤス、映画に生きる人々の生き様を描く。つかこうへいの『熱海殺人事件』と並ぶ代表作のひとつを、大阪の劇場一心寺シアター倶楽「つか追悼企画」参加の「ファントマ」伊藤えん魔が演出した作品です。えん魔演出は初観劇。
演劇は虚構、でもつか作品の登場人物たちは熱い血が通っていて生々しい。「銀ちゃんとヤス」、これだけで誰もが蒲田だとわかる理由がわかりました。力のある戯曲とはこういうのをいうのですね。王道をいく熱血バージョンの観劇で、笑いあり涙ありの充実した2時間強で満足です。ただ最後のハッピーエンドは違う方向性のほうが良かったな。あと音照はあまりピンと来ず。
銀ちゃん役藤本英樹のかっこよさ。声がいいです。ヤス役行澤孝は最初発声が不安でしたがどんどん引き込まれていく。小夏役美津乃あわの年増さもリアリティがあって。でも綺麗だしかわいらしい。とにかく主要三者に外れなし。