ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

アニメ「パン種とタマゴ姫」

日本/'10年製作/宮崎駿監督


ぶっきらぼうな魔法使いのもとで働くたまごの女の子が、命の宿ったパン種と逃走劇を繰り広げる。三鷹の森ジブリ美術館内の映画館「土星座」でのみ上演されるSTUDIO GHIBLIの実験短編映画です。
宮崎駿は魔法が当たり前にある世界を魅力的に描くのが本当にうまいと思うのです。内容は『ハウル〜』の焼き直しだし、追いかけっこのハラハラドキドキ感はかつての駿さんならもっと楽しく作れたはず。でもこういう肩肘張らず作品を作れて発表できる場所があるというのは、短期的長期的にみても非常に有意義ですよね。展示室にあったラストまで作ってください。そして直接声を届けるという意味でアンケート用紙が欲しい。
宮崎・高畑は既に高齢で、監督の世代交代がジブリでは成功していません。せっかくあんなにいい実験劇場があるのだから、ここで若い才能を発掘すべきです。爺さんの道楽にするのはちょっと勿体ない。一介の客としては駿さんの新作が観れて大満足なんですけどね。