ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

アニメ「コクリコ坂から」

日本/公開中/宮崎吾朗監督


戦争で死んだ父を待ち続ける少女と数奇な星の下で生まれた少年との優しい恋物語。STUDIO GHIBLI最新作です。
あまり話題にもなってなく、確かに若者受けはしないでしょうが、僕は結構好きです。宣伝が暗めなので期待してなかったのですが、いやいやどうして。特に、伝統ある男子学生寮の生徒たちの一挙手一投足に目が離せません。その描写だけで僕は満足してしまいました。ただ回想シーンはいらないな。
宮崎駿の息子の2作目ですが、『ゲド戦記』で駿の呪縛から逃れられなかったからか、今作は彼の好きな押井守(特に初期の)を目指した感があります。学生寮のシーンはその典型かと。そこだけ「うる星やつら」の世界でした。しかしそれをジブリでやる必要はないと僕は思います。関係ないですが登場人物の顔の輪郭もジブリっぽくなかったですね。
武部聡志の音楽がすばらしい。明るい音楽にかなり救われます。「上を向いて歩こう」なんかよりこちらをもっと推して宣伝をやった方がいいと思います。