ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「2番目、或いは3番目」


日本/公演中/NYLON100℃(ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出)


天災か戦争か、何が起こったかはわからないけれど壊滅的な打撃を受けた世界を舞台に、とある街の人々を描く。念願ナイロン初観劇です。
映像で観た前作もですけれどKERAなのに絶望的なラストじゃないのですね。なんというか原作「風の谷のナウシカ」のラストみたいな、やりきれないんだけど希望が一筋の光として残っているような。僕はこういう作品の方が好きです。今作、劇場で観たからかもしれませんが、今まで観たKERAの中で一番良かった。今回一番観たかったといっても過言ではないオープニング、しびれました。あれだけは映像では伝わらない。
役者は自分の武器を把握し、作家はそれを意識し、演出が更に引き出す、まさに理想の「劇団」型といえるのでは。役者のキャラに役が乗っているんじゃなく、個性を残しながらもきちんと演じているのが素晴らしい。4度のカーテンコール、最後のあの拍手は義理じゃない。