ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「相思双愛」

日本/'09年公演/バンダラコンチャ(倉持裕前川知大作、近藤芳正/桑原裕子演出)


二組の病気の女性と介抱する男性を通して、複雑な家族と愛情への感情を描き出す。俳優近藤芳正の新しいユニット「バンダラコンチャ」による第1回公演です。横光利一重松清の原作を「ペンギンプルペイルパイルズ」の倉持と「イキウメ」の前川がそれぞれ脚本化、それを近藤と「KAKUTA」の桑原が構成・演出を務めるなど、若い才能の結集した作品になっています。
自分の感情をコントロールできない男。妻が死んでも涙が出なかったり、病床の妻と怒鳴りあいの喧嘩が絶えなかったり。それでも心の底から愛していたと気付く。原作は両作とも読んだことがないので、どれくらい忠実でどれくらい創作なのかわかりません。が、抽象的な概念である「愛」であったり、法律に則っていない「家族」という括りをゆっくりと、しかし確実に受け入れていく話であったと思います。
多分辺見えみりの方が前川脚本で、坂井真紀が倉持脚本でしょう。前川は好きですが、やはり倉持は苦手です。