「チャンス」
米/'79年製作/ハル・アシュビー監督
何十年も屋敷を出たことのない庭師が外の世界に出て、その純真無垢さから一躍時の人になるまでを描く。
内容だけ聞くとバカバカしい御伽噺のように聞こえますが、いやいやどうして。ピーター・セラーズの名演技によって人物にリアリティが生まれ、本当にその人がいたような、そして「いる」ような気がしてきます。知恵遅れでTV大好きな性格設定が秀逸。せっかくのシャーリー・マクレーンの身体をはった艶シーンもユーモアで笑い飛ばしながら心にもうったえさせる、そのセンスや良し。
象徴的なカットがいくつも挿入されており、複数回観ると更なる発見がありそうな。天使とダブらせるかのようなラストが大好きです。