ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「レミング 壁抜け男」

日本/'83年公演/演劇実験室◎天井桟敷(寺山修司作、寺山修司/J・A・シーザー演出)


突然壁が消えた部屋に現れ消える、それは夢か現実か。寺山修司率いた劇団「天井桟敷」による最終公演です。若松武(現・武史)が出てます。気づかなかったけれど。
これがアングラ。意味は全くわからないのですが、どこか惹きつけるものがあり飽きずに観れました。物理的な"壁"が消えることで理性の"壁"も消滅した、のでしょうか。"壁"が社会の様々なものの象徴のようにも感じました。舞台における役者の置き方が良かった。きっと劇場で観たらもっとすごいんだろうな。同じアングラ世代の唐十郎作品より好みであります。まあ比較したらの話ですが。
役者の肉体のエネルギーよりも、台詞とセンスの芝居というのかしら。詩のように紡ぎ出される台詞にうっとり。ただこういう芝居を観てていつも思うのは、役者は演じてて面白いんですかね。