ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「フユヒコ」

日本/'08年公演(再演)/青年座(マキノノゾミ作・演出)


昭和9年、身の回りの細々した物事を研究する異端の物理学者寺田冬彦とその家族の、クリスマスイヴから大晦日までの日常を描く。劇団「M.O.P.」のマキノノゾミが劇団「青年座」に書き下ろした戯曲3作品を、同じく青年座がM.O.P.から客演を呼んで一挙再演したシリーズの一つです。この『フユヒコ』は唯一演出もマキノノゾミが手がけています。青年座は初見。
観終わった後心がホッと温まる芝居でした。年末のドタバタにゴタゴタが重なる。別に大きな出来事ではなく、どの家庭にも何かしらありそうな騒動。家族をテーマにしながら説教臭いところは全くなく、ユーモア交えて描き出される寺田家は何ともうらやましい。各自不満はありながらも皆が皆を深く愛しているのが手に取るように伝わってくる丁寧な描写だったと思います。
次男の役どころが好きです。役者はフユヒコさん役の人が一番好き。末娘は失礼ながら年をとりすぎてて微妙でした。