ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

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日本/上演中(再々演)/マームとジプシー(藤田貴大作・演出)


太平洋戦争下での沖縄・ひめゆり学徒隊をモチーフに戦争に巻き込まれていく少女たちの姿を描く。京マチ子の同名漫画を舞台化した作品です。
京マチ子の独特な雰囲気を見事に3D化し、少女とリフレインという藤田の得意分野が最大級に活かされ初演の評価が高かった話題作を観ることができたことにまず感謝。永遠と思われる煌めく日常に唐突な死がまとわりつく恐ろしさ、儚さ、無常さ。2時間半は正直長かった印象もあれど、過度に共感を覚えさせることもできるのにあえてせず、絶妙な距離感で描かれていたのがこの作品の誠実さだと感じます。
最初は見分けのつかなかった13人の少女に、少しずつ色がのっていくようで。そういうところも巧み。