ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「百万円と苦虫女」

百万円と苦虫女 [DVD]
日本/'08年製作/タナダユキ監督


人付き合いの苦手な女が百万円を貯めて各地を転々としながら、自分自身と向き合っていく。
こんなに若い感性溢れた確信犯作品も珍しい。はじめは「蒼井優のイメージビデオかよ」と思わせといて、「あれ、ヒューマンドラマ臭いぞ」となったと思ったら、「こそばゆい少女漫画じゃん」となり、かといってそれで終わらず。気づいたときには時すでに遅し、どっぷり引き込まれている自分に気づくのです。ディープな内容も扱ってるのにも関わらずなこのサラッと感、ハマります。不器用な人間ばかりで、そこがまた愛おしい。なんといってもラストがにくい。
蒼井優の雰囲気があってこそ。しかも彼女に言い寄る男どもの描写がこれまた巧い。現実に居なさそうで、でも居そうなギリギリラインを確実に狙ってきていますね。竹財輝之助ピエール瀧森山未來。ハズレなし。