ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「サド侯爵夫人」

日本/'12年公演/世田谷パブリックシアター(三島由紀夫作、野村萬斎演出)


フランス革命前夜、特殊な性癖が露見し牢獄に捕らえられた侯爵の帰りを待つ貞淑な妻の20年におよぶ気持ちの移ろいを描く。
サド・マゾの語源となった実在の作家を登場させることなく、三島文学と呼ばれる豊饒な言葉で炙り出す。6人の女たちにはそれぞれに信じるものがあり、それぞれのものさしで男をはかろうとするが誰も成しえない。革命でものさしそのものが形を変えるなかで、自分のものさしの狭さまでもがえぐり取られたかのようでした。
白石加代子麻実れいのこれでもかという存在感。その他、蒼井優、美波、神野三鈴、町田マリー