ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「Shakespeare Sonata」

日本/'07年公演/シアターナインス(岩松了作・演出)


シェイクスピアを専門に上演する旅一座の複雑な人間模様を描く。歌舞伎役者・松本幸四郎が自身の家族とともに人気劇作家を招いてストレートプレイを上演する企画ユニット「シアターナインス」による公演です。今回は「東京乾電池」の岩松了が作演、娘の松本紀保が共演しています。
小さく閉鎖的な劇団にはありがちな男女関係のドロドロも、それが座長絶対で家族同然の旅一座で、かつパトロン一族とズブズブになってしまうと更に色々あって。心から嫌いになれないのは余計苦しいことです。互いの気持ちを知りたいのに、結局は他人だから完全に知ることはできない。だから演技してみたり、携帯の着信を必要以上に気にしたり、暴力に訴えたりして知ろうとする。信じたい、から、知りたい。知ることは出来ない、から、信じたい。その「信じたい」というのは相手ではなく、自分自身なんですね。
幸四郎の演技に違和感。オーラに溢れているのを嫌ってか無理に一般人にもっていこうとし過ぎているように感じます。それに対して高橋克実が良い。