ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

殺意 ストリップショウ

日本/’20年公演/世田谷パブリックシアター(三好十郎作、栗山民也演出)


ひとりのストリップダンサーが自らの引退公演にて波乱の半生を語る。近年再評価の進む三好十郎による70年前の戯曲上演です。
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう現代日本において、7月に観客を入れての上演を行った気骨精神は、三好作品の上演になんとも相応しい。劇場主催公演であったことや一人芝居なので客席との距離が取りやすいことなど条件が重なったのでしょうが、劇場の灯はこうして守られていく。作品は、第二次大戦を境に尊敬し愛した男に失望し殺意を覚える女を通じて、その感覚が特殊なものではなく誰にでもあるものだと書く。
体当たりな演技の鈴木杏