ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「時計じかけのオレンジ」

時計じかけのオレンジ [DVD]
米/'71年製作/スタンリー・キューブリック監督


暴力的非行行動にあけくれる青年を軸に、そんな彼の生きる社会を痛烈に皮肉る問題作。手塚治虫の短編漫画に「時計じかけのリンゴ」という作品があったり、今年小栗旬主演で舞台化されたりと、何かとオマージュされ続けている作品です。
キネ旬DBによると、「完全に管理された未来社会で、あまりあるエネルギーをもてあそぶティーン・エイジャーの理由なき反抗を描く」んだとか。でも僕はそんな未来へと突き進む現代社会への暴発のように感じます。非人道的治療を受けた主人公が性と暴力に再び目覚めたとき「完全に治った」というのは凄い。映画中で鳴り響くベートーヴェンの第9が「歓喜の歌」であるということが一番強烈でした。
個人的には映画よりもジャケットデザインの方が好み。この作品を一枚の絵で完璧に表していると思うのです。