ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「家族」

家族 [DVD]
日本/'70年製作/山田洋次監督


大阪万博の年に長崎の小さな島から北海道へ引っ越す家族のロードムービーキネ旬1位に輝く作品で、池袋の新文芸座にて初鑑賞です。
綺麗なところも汚いところも合わせて人間である、と全てを肯定してくれる温かさがあります。何日もかけて南北を横断せざるをえないのに、愛する家族を失いながらも北の大地を目指す。奇しくも時代は「進歩と調和」。この家族のように何か新しいモノを求めた人々もたくさんいたのでしょうね。しかし大切なのは新しいモノではなく「古きモノを大事にすること」だとこの映画は伝えています。そして、山田映画はユーモアに溢れていることを再認識。
笠知衆の存在感。渥美清はカメオ的出演でも全部もってってしまいます。