ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「冬物語」


日本/公演中(大阪終了)/子供のためのシェイクスピアカンパニー(W・シェイクスピア作、山崎清介演出)


妻の不倫を疑ったシチリアの王様とその子供の数奇な運命を描く。シェイクスピアの晩年の作品を、夏の風物詩となった「子供のためのシェイクスピアカンパニー」が上演します。
『オセロー』とネタは一緒、だけれどなんといっても「悪人が出てこない」のが珍しいんじゃないでしょうか。疑念の塊となった王も狂って暴虐な命令を行いはするも、関係のない人間には分別をもって接するし、部下からの信頼も厚いんですよね。黒コートにクラップの山崎演出の安定性はバッチリ。今回脚本面での遊びは比較的少なめでしたが、去年紀伊国屋演劇賞も受賞して、さらに集団の質の安心感は増したかと。
まさに佐藤誓ひとり舞台。伊沢磨紀もさることながら、おいしい役は佐藤ひとりでやってましたね。ベテランと若手の演劇力の差が年々クッキリしてきていると思われます。まだ肩を並べられてないから、佐藤だけでやることに。