ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「チェーホフ短編集」

日本/'10年公演(再演)/華のん企画(A.チェーホフ作、アミケル・フレイン脚色、山崎清介演出)


劇作家チェーホフの短編6本を「子供のためのシェイクスピア」シリーズでお馴染みの山崎清介が繋ぎ合わせて一本の作品として上演した、NHKシアターコレクション再演版です。
設定をシェイクスピアの「夏の夜の夢」のスピンオフとした、その遊び心にまず拍手。子供のためのシェイクスピアカンパニーが'07年に上演した『夏の夜の夢』に出てくる町人の芝居仲間たちが役柄もほぼそのままに森の奥で代わる代わるチェーホフ作品を演じるのです。暖簾に書いてある「ボトムさん江」はずるい。「タバコの害悪について」しか知っている作品はなかったのですが、それなりに楽しめました。でも当たり外れはありますね。「プロポーズ」は好きです。
役者たちが家族を演じ、その各々がそれぞれの作品に関係していたりいなかったり。でもその入れ子構造で、作品が変わっていっても違和感が軽減されるという効果が。さすが山崎演出。伊沢磨紀はやっぱりうまいし、佐藤誓はやっぱり好きです。山口雅義がいい役、でも戸谷昌弘はいつも通り。残りの女性2人はそれほどでした。