「愉快犯」

日本／公演中／柿喰う客(中屋敷法仁作･演出)

精神的ショックに弱い一家のドス黒い幸福な生活を描く。「柿喰う客」は前作に引き続き２本目の観劇です。
冷めた視点でポップに観客を突き放す「柿」の芝居。病的なまでにねじ込まれた台詞と嫌がらせのような全面八百屋舞台を駆使し、うっとうしい大きな動きと口上を述べるが如き発声がマシンガンになだれ打たれるこの快感。そして観終わったとき残るのは新春のすがすがしさと、相反したザラリとした感覚。柿は、ストーリーは好みではないものの中屋敷演出が好きだ、という結論に達しました。なお、アフタートークで得たモノは大きい。
玉置玲央初見、身体能力バツグンの上になんと華のある役者だろうか。看板の七味まゆ味があまり好きではない分、良い役者を新しく見つけられて満足です。