ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「この世の外へ クラブ進駐軍」

この世の外へ クラブ進駐軍 [DVD]
日本/'03年製作/阪本順治監督


終戦直後の日本で進駐軍相手にジャズを演奏する若者たちの、それぞれの思いと生き方を描いた群像劇です。主演に荻原聖人やオダギリジョーら。内容が暗そうだからか公開時からあまりパッとしなかったような。キネ旬ベストテンも逃しましたし。我が大先輩阪本順治監督作品です。
上手く言えないけれど、戦争で大切なものを忘れ傷ついた若者たちが、ジャズに失った何かを求めているという感じが静かに、それでいて熱く伝わってくる映画でした。これは時代の背景とか関係なしに、求める先が違うこそすれ現在にも通じる思いだと思います。バンドメンバーとしてはオダギリジョーのコミカルな演技に惹きたてられた彼のひたむきさが強く心に残っています。あ、あとベースの人(松岡俊介)がかっこよかった。
劇中で荻原が歌う"ダニー・ボーイ"がすごくよかった。最後の流れは先にわかったけれど、愛情に満ちた歌詞と歌声に感動しました。もちろん"A列車で行こう"も最高。