「KT」

日・韓／'０２年製作／阪本順治監督

日本を震撼させた金大中誘拐事件の裏側を描く。
当時を知らない自分にとってイメージが沸きづらく。三島由紀夫の決起にも何も出来なかった自衛隊員の焦燥感も。ただこの乾いた空気には背筋に冷たいものが走るほどのリアリティがありました。「俺の戦争なんだよ」という主人公、「戦争ごっこは終わったか」という新聞記者、家族のために暗殺も厭わない男。これを"時代"の一言で片付けていいものなのか。
これは群像劇といっていい。それぞれの思惑、揺れる感情がミッチリ詰まってます。