ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

パラサイト 半地下の家族

韓/’19年製作/ポン・ジュノ監督


貧民街に暮らす家族が裕福な家庭に寄生していく。外国語映画初のアカデミー作品賞に輝いた記念碑的作品です。
貧富の差を軽妙に、そして会心の一撃をもって描いた作品。韓国だけではない社会問題であることが世界的評価につながったのでしょう。恵まれた生活にとってかわろうという気概はなく、ただしがみつくだけというのが現実的。問題はお金でも生活の質でもなく、沁みついた臭いである。洗っても消えず宿主の汁をすすることを選ぶ。最後、青年が未来を描こうとする安直なハッピーエンドと、それを許さなそうな映像がニクい。
軽重自在に演じ分けるソン・ガンホ。息子がチェ・ウシク、娘にパク・ソダム。