「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」
米/'63年製作/スタンリー・キューブリック監督
冷戦の真っ只中のアメリカで核戦争に向って突き動く司令官と政府中枢、作戦を行う兵隊の姿をブラックユーモアで描く。ピーター・セラーズが3役を演じたことでも有名です。
こういう作品を作れることが凄い。どうしてエンターテイメントに捉えられてしまうのか、自分でも不思議です。確実に地球を滅ぼす核戦争だというのに誰もが自分ごとだと感じていない、というところに「核兵器」のもつ異常さの一片が表れており、その異常さがそこはかとなくユーモラスに見えてしまうのでしょうか。50年前の作品であるのにとてつもなく斬新な戦争映画でした。
なにが一番異常かって、どう考えてもピーター・セラーズが異常。ジョージ・C・スコットもコミカルな狂気をはらんでいて素晴らしい。