ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「唇に聴いてみる」


日本/公演中(初日)/浪花グランドロマン(内藤裕敬作、浦部喜行演出)


六畳一間に季節関係なく存在する炬燵と一本の空き缶、そして窓越しに見えるものは。内藤裕敬の初期戯曲を一挙上演する一心寺シアター倶楽プロデュース「万歳祭り」の3劇団めで、毎夏恒例野外テント劇団「浪花グランドロマン」(略称「NGR」)による公演です。
仕込みに2日間かけたというまさにテント芝居のような仕掛け満載舞台で、この点でNGRの面目躍如だったと思います。照明が美しいのと、やはり内藤のホンが光っていました。待ち構えた空き缶はまああんなものかな。仰向けになった炬燵はあられもない姿を連想させられる、と言ってたのは東海林さだおだったかしら。母なる炬燵と父なるふすまという見立てが非常に面白い。
祭り参加の前2劇団が全面若さ押しだったのに比べて既にいい年齢のNGR、演技面では多少難があるのがデフォルトで今回もしっかりと年齢を感じさせるいっぱいいっぱいさ。パフォーマンスは最早痛々しい。でも楽しそうではあるんですよね。