ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ」

ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ [DVD]
日本/'09年製作/根岸吉太郎監督


死を渇望し酒に溺れる作家の側にい続ける"妻"という女の物語。太宰治の同名小説を映画化したものです。
最近原作を読んだはずなのですがあまり記憶が無いという。女の強さというかしたたかさというか、つまりは男の描く女像にすぎないような気がするのです。太宰は読んでも「だからなんなんだ」と思ってしまい入り込めず、この映画もふーんとなっただけで終わってしまいました。太宰のウダウダを共感したり受け止めたりできるほど心に隙間がないのかもしれません。種田陽平の美術は美しい。
松たか子は最近本当に凄いです。しなやかですね。堤真一妻夫木聡の豪華な噛ませ犬っぷりに驚く。