ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ロリータ」

ロリータ [DVD]
米/'62年製作/スタンリー・キューブリック監督


ある男が成長しかけの少女に特別な感情を抱き様々な手を駆使して束縛しようとする。露作家ウラジーミル・ナボコフの代表作を本人の脚本によってキューブリックが映画化したものです。
ロリコン」の語源。原作小説の方はかなりきわどい内容のようで世界中で発禁処分を受けるなど色々な意味で話題作だったそう。それにしてはこの映画は核心に迫れていないのではないでしょうか。衝撃的な少女と男の歪んだ肉体関係をかなりぼやかして描いており、煮え切らなさが残ります。男のいたたまれなさは最早えげつない。嫉妬と征服欲にまみれた人間の醜さといったらないですね。でも最後の「泣く」という行為はちょっとしたインパクトがありました。
ロリータことスー・リオンは若干14歳。もっと小悪魔なイメージだったので肩透かし。ジェームズ・メイソンの狂気とピーター・セラーズの狂気の対決が見ものでした。