ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「翼をくださいっ!さらばYS-11」


日本/公演中(再々演)/ギンギラ太陽’s(大塚ムネト作・演出)


寡占状態であった航空会社業界にたった一機で参入したスカイマーク・エアラインの苦節の日々を描く。福岡発の人気被り物劇団「ギンギラ太陽’s」による初の全国ツアーで、かつ彼らの代表作です。映像で以前一本観た*1ものの、劇場では初観劇。
『BORN TO RUN』の興奮や、再び。開演前の西鉄やくざバス軍団による素晴らしいツカミに始まり、笑って泣けて心温まるエンターテイメントの王道を行く作品でした。実在の建造物や乗り物、企業などが心を持ち動き回る発想はもとより、史実からよくここまで巧いこと脚本にできるなあという、そこに脱帽です。余韻の作り方もうまく、暗転が多いのに気にならないのも特筆すべき。それにしても九州のローカルネタがなぜあんなに他地域でも面白いのか不思議。
主役の古賀今日子の純真さ、声がいいですね。主宰の大塚ムネトは後説が蛇足ですが、人の良さが滲み出てて許せます。うまかったのは杉山英美、若い頃と年をとってからの演じ分けが見事。ズルイのは、気球。

*1:『BORN TO RUN』、過去の日記参照→id:totte:20090501