竜馬の妻とその夫と愛人~と、歌使いの唄~
日本/’12年公演(再々演)/劇団東京ヴォートヴィルショー(三谷幸喜作、山田和也演出)
荒んだ生活を送る女とその周囲の人々の言動を通して坂本龍馬の存在の大きさが浮かび上がる。劇団東京ヴォートヴィルショーに三谷幸喜が書き下ろし映画化もされた作品です。
今日では歴史上の人物が息づく当時を虚実織り交ぜて切り取り、喪失感というかたちのないものをくっきりと描き出す。この作品は演劇という明確なフィクションが現実を超える良き事例と思えてなりません。皆がその影を追い求める偉大な志士は、その後歴史から一度姿を消し、再度脚光を浴びる。そんなこと関係なく、生きていたんだなあと思えるのが楽しい。
綾田俊樹が絶品、初演から唯一キャスト換えだったのにハマリ役としか思えず。佐藤B作、あめくみちこ、佐渡稔も良き。
supermarket!!!
日本/公演終了/劇団壱劇屋(サカイヒロト、サリngROCK、林慎一郎、ピンク地底人3号、福谷圭祐、水鳥川岳良、村角太洋、山口茜、湯浅春枝作、大熊隆太郎構成・演出)
とあるスーパーマーケットを舞台としたオムニバス作品。新しくなったin→dependent theatre 2ndにやっと行けました。
登場人物の設定を固定させたうえで、関西の最前線を行く9人の劇作家がそれぞれ腕を振るった、ちょっと珍しい形態の公演。3分割して3倍料金をとってもいいようなラインナップを惜しげもなく1作品に仕立て上げる大熊の力技とサービス精神は素晴らしい。シュールな展開が多めながら、壱劇屋らしくポップで包んであり、あっという間に終わった夢幻の時間でした。
もはや何が何やら、どれが誰やら。