御法度

日本／’９９年製作／大島渚監督

新選組に入隊した美青年をめぐり沸き立つ男色の騒動を描く。司馬遼太郎の小説を原作とした大島渚の遺作です。
明治以前の日本では男性同士の色恋は現代よりも寛容であったと聞きます。新選組という男社会においても言わずもがななのでしょう。心の奥底で怪物が育っていくのを副長・土方とともに観客もまた知らず知らずのうちに目の当たりにする構成の妙。惚れたはれたの設定云々ではなく、人間のもつ業を抉るように描き出した作品だったと思います。
デビュー作の松田龍平の魔力たるや。そしてビートたけしといい崔洋一といいトミーズ雅といい、使い方が巧い。