明治初頭、かつて人斬りと恐れられた頬十字傷の男が、自らが殺めた最愛の人の弟による復讐に向き合う。同名漫画の実写化シリーズ第4弾です。
前作までの死闘を終えて束の間の平和に身を置くが、一人の男の執念により無残に崩れ去る。明治維新とはいえ過去に訣別できるわけではなく、幕末の罪を、意志を、新しい時代に持ち込めない怒り、戸惑い、苦しみを抱えて、それでも生きる。それは敵であっても、味方であっても。原作の描く真髄を丁寧に掬い取るからこそ、この映画を映画たらしめるのだと思います。
ヒーロー劇でありつつも群像劇。緋村剣心・佐藤健、相楽左之助・青木崇高、藤田五郎・江口洋介、四乃森蒼紫・伊勢谷友介、瀬田宗次郎・神木隆之介。漫画のキャラクターではなく人物を立ち上げているところが好感。