ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「アナウメ」


日本/公演中(初日)/廃墟文藝部(後藤章大作・演出)


妻に空いた穴を埋める男の話。「廃墟文藝部」の長編は初観劇です。
暗く静かな寓話。男が女の空いた穴を埋めたがるのは古事記の頃からの習慣なのかしら。でも何かしらの穴はみんな空いているんだろうなとボンヤリ考えながら観てました。ファンタジーに寄せてしまったことで、そこにあるべき肉感は乏しく。もっとグロテスクでいい。さらにいえば、「文藝」を打ち出す団体ならば言葉で空間を埋めてほしかったと思います。
夫役の八代将弥は繊細というか線が細いというか。なんにしても存在でみせられる役者。妻役の池場未有は、なかなか良い。