ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

サカシマ

日本/公演終了/廃墟文藝部(斜田章大作・演出)


最期を目撃した怪しげな男の元で働きながら、飛び降り自殺した姉の真意を探る少女の5秒間を描く。
ハンプティダンプティ、落ちた卵は戻らない。悩み事相談室に電話をしながら飛び降りた女。100メートルのビルを落ちていくたった5秒間に、人は何を考えるのか。その着想は刺激的ですが、ここで描かれる「家族」にリアリティがなく、どうしても作品に入り込むことができませんでした。それよりも、言葉巧みに死を導く男がいつも同じ時間に飛び降り自殺でついたシミのもとへ行き、煙草をふかすことの方が人間味が感じられてよかった。
繊細な役の似合う八代将弥。