ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ジャズ大名」

ジャズ大名 [DVD]
日本/'86年製作/岡本喜八監督


明治の夜明け前夜の日本で、ジャズに触れた小藩が自由を奏でる。筒井康隆の同名小説の映画化です。
ぶっ飛んでいるのにカタルシスがないということが、この映画のミソのように思えてなりません。そこにあるのは赤い画面と醸し出される狂気。ラスト、ジャズのフリーセッションにええじゃないかが混濁し、楽器も時代も宗教も超越するなかで、新しい時代の幕開けを背中から眺めることしかできない男と、そこに現れるタモリチャルメラ。前衛か、おちゃらけか。
それでも古谷一行が凛々しい。