ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「[deprived]」

日本/公演中/shelf(矢野靖人構成・演出)


日本における「法治国家」のあり方を様々な引用のコラージュで切り取る。書架をモチーフに活動するという「shelf」初観劇です。
当日パンフには政治の話だとあったけれど、これは解釈改憲フリーライダー論、国歌強制といった社会問題の根底にある「法」と「心情」の話だと感じました。市民革命無き日本で法=権力の図式が崩れることなく綿々と残り続けていることが三権分立の意義を著しく阻害し、そこに想いを馳せることまでが特権階級にしか許されていない空気がある。この芝居を観る/視る観客は社会そのものだったのかもしれません。
川渕優子は良いなと思っていたらやはり看板でした。国歌を朗々と歌っていた女性(名前わからず)は一度見たら忘れられない風貌。