ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「山の巨人たち」

日本/'08年公演/新国立劇場(ルイジ・ピランデルロ作、ジョルジュ・ラヴォーダン演出)


落ちぶれた伯爵夫人である女優一行が巨人たちが住む山の麓にいる魔術師のもとを訪れる。イタリアの劇作家ピランデルロ未完の作品の上演だとか。
「大人のための御伽噺」という売り文句。屋敷の門前であろう大きな太鼓橋の上で一夜の幻想的狂乱が繰り広げられる。これは映像で観てもさっぱりわからないタイプの芝居なのかしら。なにかを象徴するような言葉が並び、登場人物たちの生死の境が曖昧になる。ファンタジックな舞台に酔えばいいのか、メッセージを受け取ろうとすべきなのか、見方に悩む芝居は観る側にも気概がいります。
平幹二朗麻実れいのベテランはさすがの貫禄。大鷹明良が良かった。