ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「異人たちとの夏」

異人たちとの夏 [DVD]
日本/'88年製作/大林宣彦監督


中年に差し掛かった脚本家が死に別れた両親らの霊に魂を奪われていく。山田太一による同名小説の映画化です。
大林らしいファンタジーさを残したホラー映画。それが良い方向に転んだかどうかは置いといて。この映画はきっと親を亡くした人間にとってはたまらないものなのでしょう。「親孝行したいときに親はなし」をそのまま一作品にしてしまったともいえます。最後のとってつけたような怪奇シーンはともかく古き良き江戸・浅草がそこにあるのは確かで、心地よい懐かしさの押し売りを素直に受け取ろうと思う。
片岡鶴太郎秋吉久美子の少年少女のような夫婦。息子より若い親との交流という発想は面白い。