ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「みんな我が子」

日本/'11年公演/梅田芸術劇場(アーサー・ミラー作、ダニエル・カットナー演出)


終戦から数年、かつて軍需工場で起きた事件に関わる家族の物語。アーサー・ミラーの戯曲を劇場主催で上演したものです。
他人のことを考え過ぎるというのもひとつの自己中心的発想だと思うのです。自分のしたことを他人のせいにするのは勿論のこと、自分を他人の目を通してしか見ることができないというのも、それは客観ではなく歪んだ主観に過ぎない。家族という密な関係だからこそ見なかった/見えなかった/見たくなかったのかもしれません。慮りのし合いが招いたラストが悲痛。
赤毛ものを感じさせない麻実れいが惹きつける。