ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「オイル」

日本/'09年公演/NODA・MAP(野田秀樹作・演出)


古事記の国譲りの挿話を太平洋戦争の原爆投下と進駐軍占領にオーバーラップさせる。第10回読売演劇大賞最優秀作品賞受賞作品です。
最近の野田を象徴する社会派作品。高らかに「自由」をうたい上げるその薄っぺらい嘘を糾弾し、恨みに時効はあるのかという痛烈な問いをぶつける。言いたいことはよくわかるのですが、だからといってわざわざ観たいとは思わないというのが率直な感想です。老いてオイルになり、自由の名の下に戦争を呼び込む軽薄さ。わかるんですけど。
松たか子が本当に神がかっているように見えます。