ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ゆづり葉」


日本/公演中/劇団犯罪友の会(武田一度作・演出)


戦後のオリンピック誘致に沸く都会からは離れた田舎町で、いまだ戦争の傷跡を引きずりながら生活する人々を描く。大阪が誇る野外演劇の雄「劇団犯罪友の会」(略称・犯友)の最新公演です。初観劇。
いわゆる「お芝居」を観たなと。戦後17年の年月を経て人々の現実と虚構の区別は曖昧になり、譲りながら花咲く朝顔のように人から人へと幸せになる権利を譲り受けていくんだと思い込むことで何とか暮らしている。犯友を犯友足らしめる丸太を組み合わせた野外劇場は生憎のコンディションで舞台上は雨ざらし、客席は半分撤去。それでも夢芝居へと誘うには雰囲気充分で、始め30分は慣れなかったけれどその後は楽しめました。仮初めのテント芝居とはかなりイメージが違いますね。
開演から強まる文字通りの大雨のなか真夏設定の薄着で演技し続けた役者たち。終演と同時に一瞬止んだのは客相手の為せた意地かしら。