ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「雲の上団五郎一座」

日本/'62年製作/青柳信雄監督


ドサまわりの旅一座をホラと情熱に溢れた男が演出し大成功を収めるまでを描く。エノケンフランキー堺ら当時の喜劇役者をズラリ並べたコメディ映画です。
これ一本がコント集。作品の出来というよりもアーカイブス的価値の方が強い。古いんだけど古くない、今でも喜劇の教材として使える作品ではないでしょうか。ベタベタなギャグからドタバタギャグ、菊田一夫脚本によるストーリーの笑いに名役者が醸し出す笑い。いたるところに「芸」がつまっていて非常に気持ち良いものになっています。先日観た「空飛ぶ雲の上団五郎一座」はその点でこの作品に負けていたように思います。
フランキー堺独壇場、かと思いきやそこかしこで光る役者がまぶしい。そのなかでも特に南利明から目が離せませんでした。いい顔してるなあ。