ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「ブラック・スワン」

ブラック・スワン [DVD]
米/'10年製作/ダーレン・アロノフスキー監督


バレエの主役の座を掴んだ女が、役に呑まれていく姿を描く。
もはやサイコホラーです。過干渉な母親の元で抑制し続けた感情を強制的に解放しようとし、むべなるかな暴発してしまう。劣等感や性欲など自分の"陰なる部分"をさらけ出すことには誰しも多少なりのリミッターをもってて。それを外すということは自分のコントロールの効かない部分に身を置くということと同義。それほどの恐怖は他に無いでしょうね。
ナタリー・ポートマンはこの役でアカデミー主演女優賞を受賞。役に呑まれる役を演じる気持ちはいかなるものだったかしら。