ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「かもめ食堂」

かもめ食堂 [DVD]
日本/'05年製作/荻上直子監督


フィンランドでひっそり営まれる日本人の食堂に集う人々のスローライフを描く。荻上直子の名前を一躍有名にした作品です。
フィンランドという異国の地でゆったりと時が流れ、当ても無く世界の終わりに思いを馳せる。この映画はある種のファンタジーといってもいいと思います。人生の機微も描きつつも、うるさくなく柔らかいタッチ。画面がいちいちお洒落でまるでイラストレーションのよう。馴れ合いもないのでしがらみもなく、「自由」の一側面が非常にうらやましく感じます。
その「自由」を体現するのは生半可なことではないでしょう。小林聡美の包容力はそれを成し得ます。片桐はいりの一般人さともたいまさこの違和感のバランス感覚も良い。何故室井滋じゃないのかという疑問は残りますが。