ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「行商人ネモ」

日本/'07年公演/劇団唐組(唐十郎作・演出)


行商をしている"ネモ"と呼ばれる男の白いズボンにまつわる物語。
意味不明さは相変わらずだし、台詞も半分は何言ってるのかわからない。ストーリーなんてわかったためしなどない。つまり観劇後の気持ちとしては常に「?」としか言えません。それでも時々、本当に時々、一瞬にして引き込まれる瞬間があるから怖いのです。今作ではジュール・ベルヌの「海底二万海里」が下敷きとなっていて、地面の底をスクリューで進む一人の男の姿が万能潜水艦ノーチラス号とダブる、そのイメージは確かに鮮烈ではありました。が、やはりわからない。
主役の稲荷卓央のよさも僕にはわからないのです。ヒロインの藤井由紀は力と華があって好きでした。劇団鹿殺し客演で以前観た丸山厚人がかっこよくて満足。