ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「キル」


日本/公演中/関西学院大学演劇グループSomething(野田秀樹作、ゆきひろ演出)


ジンギスカンの生涯をファッション界に置き換えて壮大に描き出す。野田秀樹の傑作を関西学院大学の学生演劇が上演したものです。オリジナル初演版を6年ほど前に映像で観ています。
テンポは悪くないのに冗長に感じる。理由は主役のテムジンがギラギラ狼していないのと、交互に挿入される旅行者のターンがみんな野田の言い回しに台詞負けしているからでしょう。舞台に草原はかすかに見えたが青く広がる大空は見えなかった、そういうことです。ダンスの挟み方が良い、これなら大胆にダンス重視で再構成したら面白かったのでは。実験的な照明プランは興味深い、けどセンスが足りない。映像も活かせず。単純に勿体なかったです。
それでもテムジン役のひーぐも下手じゃないし、母親トワ役の桜田ひつじの声も良かった。ただ各人やりきれてなさが目立つ。