ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「うお傳説〜立教大助教授教え子殺人事件〜」


日本/公演中/ザ・スズナリ開場30周年記念(山崎哲作、関美能留演出)


実際に起こった殺人事件を題材にした「新・転位21」(当時「転位21」)の山崎哲の代表作を、下北沢の劇場「ザ・スズナリ」開場記念公演として上演したものです。
事件の起こった'73年当時、この事件はセンセーショナルに取り上げられたそう。そしてその主犯を含む関係者の心の内をアーティスティックに描いたこの『うお傳説』もスズナリでの初演は衝撃であったという。確かにそこに描かれていたのは事件にまつわる人々の心がときに静かに、ときにけたたましく響く様。苦しんでもがく姿はまるで"魚"そのもの。その魚の起こす水の波紋を印象的に表現し切った照明と石原敬の美術がとても素敵でした。
占部房子の強弱に吸い込まれてしまいました。