ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「小説家を見つけたら」

小説家を見つけたら [DVD]
米/'00年製作/ガス・ヴァン・サント監督


スラムの黒人少年が謎の偏屈老人と出会ったことで、天賦の文才を開花させる物語。
産まれへの差別、というよりも、才能への嫉妬。貧民街の黒人高校生にこんな文章が書けるはずがない、と思いたい教師は『アマデウス』のサリエリと同じなんですね。才能はありながら小説を書くことに、そして生きることに失望を覚えた小説家は、新たな若い才能を見出すことでそこに再び生きる喜びをも見つける。少年の純粋さが引き起こす物語をあえて「奇跡」と呼びたいです。
ショーン・コネリーが土台となり、主人公はその上で等身大の少年を活き活きと演じており良し。