ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「朧の森に棲む鬼」

日本/'07年公演/劇団☆新感線(中島かずき作、いのうえひでのり演出)


朧の森の魔物に唆されその舌先で運命をも転がす男の物語。主演に市川染五郎を迎え「リチャード三世」を下敷きにした、劇団☆新感線による「いのうえ歌舞伎」作品です。
アンチヒーローとして申し分のない染五郎のTHE悪役っぷりに惚れ惚れします。舞台の壮大さは衝撃、ライブでそこまでするかという。舞台上に土砂降りは起こるは滝が現われるは水流はできるは、"水"を多用した舞台に圧倒はされるも心のどこかで「あそこまでやらなければチケット代はもう少し安く…むにゃむにゃ」などと考えてしまいます。あれでツアーもするんだもんなあ。
染五郎の色気。阿部サダヲの本気。この二本柱を買う。主役級の女3人、秋山菜津子・高田聖子・真木よう子がそれほど輝いていないように感じたのは残念。染五郎に喰い殺されたか。真木よう子の棒っぷりには驚きました、結構好きだったのに。そして小須田康人の扱われ様が切ない。