ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「上海バンスキング」

日本/'10年公演(十演)/Bunkamura(斎藤憐作、串田和美演出)


太平洋戦争前後の上海を舞台にジャズに生きる人々の姿を描く。「オンシアター自由劇場」の伝説の舞台を、16年振りにかつての面々が集まって再演した話題作です。
時代の切り取りが見事。数少ない資料を必死に集めたという分、それがあれだけのリアリティを生み出しているのでしょう。年月を経っても再演され続ける魅力がわかった気がします。役者も初演から30年近く年をとっても違和感がない。この作品は「古典」なのですね。
なんといっても見どころは、役者たちによる本気のジャズ生演奏でしょう。串田和美笹野高史小日向文世ら元劇団員たちがペットにクラリネットにサックスにと吹きまくること十曲以上。以前はライブハウスで演奏したことまであるとあって最早プロと言えるかも。