ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「巌流島」

日本/'96年公演/三谷幸喜作・演出


いつまで経ってもやって来ない宮本武蔵に痺れを切らした佐々木小次郎が出した答えは「迎えに行く」ことだった。巌流島の決闘をコメディに直した三谷幸喜の舞台です。
ダメ人間な宮本武蔵、マジメ一辺倒な佐々木小次郎。史実や歴史考証を完全無視した今作は、巌流島の決闘をモチーフにした全く別の話だと思った方がいいと思います。あまりに武蔵像が壊されてしまうので。埒として物語が進まなくて悶える佐々木小次郎の人間描写はステキでした。ただ主役よりも周りの人間の方がおもしろかったです。全体的に、役者も脚本も雰囲気も軽い芝居でした。
役所広司が珍しい役をやってます。益岡徹はハマり役だと思いましたが、代役だったのですね。陣内孝則ではどういう小次郎になっていたのかも気になります。鈴木京香はこの頃から愛人顔なのか。