ノブをまわすと

その日観た映画や、演劇をはじめとした舞台公演に、ちょっとした感想でも。

「7Days Judgement-死神の精度-」

日本/'09年公演/石井光三オフィスプロデュース(和田憲明作・演出)


ただ見守るだけが仕事の死神が7日に亘って見続けた「人間」の姿を描く。人気作家伊坂幸太郎の小説を舞台化した作品です。
まさに映画『ベルリン・天使の詩』の世界。台詞にも匂わせていたので、意識はしているのでしょう。この作品では「音楽」が重要なワードになっており、以前の天使は図書館に集まったけれど今では深夜のCDショップの視聴コーナーにいる、というのは面白かったです。ただそれならばもっと「音」を効果的に活かす構成を考えてもよかったかと。折角視覚→聴覚の流れなのに、晴れ渡るのを目視してラストなのはどうもいただけない。
かなり映画的な印象を受ける舞台でした。雨を表すのに本水を使ってたり、独白が多様されたり。香川照之の演技が舞台にしては自然過ぎてるのもあるのでしょうか。僕はラサール石井を推す。終盤の表情がたまりません。